今回のドラゴンのイラストは、聖マルガリータのドラゴン。
アンティオキアのマルガリタ/聖マルガリータの伝承に登場するドラゴンです。

聖マルガリタの話で軽く触れられる程度であり、それ以外はほとんど語られていないため、情報もイラストもかなり少ないドラゴンです。
一説では、ドラゴンの姿をした悪魔とも。
今回は、長い首のトカゲタイプのドラゴンで、頭に一本のツノがある、という話を元にイメージイラストを描かせていただきました。
固有名詞も特になく、聖人マルガレータを飲みこんだドラゴン、と呼ばれるのみのようです。個別の名称は無いようです。
言い伝えによりますと、
女性の聖人マルガレータがギリシャの都市アンティオケイアの総督からの求婚を断ったところ、総督により牢屋に閉じ込められてしまいました。
その牢屋にはドラゴンがおり、牢屋に入ってきたマルガレータを丸呑みにしてしまいます。
マルガレータがドラゴンの中で十字架に祈りを込めると、ドラゴンの腹が裂け、無事にマルガレータは脱出したそうです。
なぜ牢屋の中にドラゴンがいたのかは謎ですが、人間に捕らわれていたことを想定すると、あまり強靭なチカラはなかったのでしょう。
ですが人を丸呑みにできるということで、大きさはそれなりにあったのではないでしょうか。
伝承では聖人マルガレータの方がメインであり、今回のドラゴンはどちらかというとかなりの脇役(悪役)に思えます。
西洋ではドラゴンは悪魔の化身や悪役として描かれることが多いのですが、
今回のドラゴンも、メインを引き立てるために悪役として一役かったドラゴンという感じですね。
たまにはそうした脇役にも想像を巡らせながらスポットを当ててみるのも面白いのではないでしょうか。
それではまた!