ハンプシャーの竜/ドラゴンのイラストです。Hampshire dragon
イギリスのドラゴン伝承の1つで、定番のファイアドラゴンというイメージですが、少し姿を変えてみました。
ハンプシャーの竜とは
イギリスの南、ハンプシャー州ビスターンに現れたドラゴンで、
その名の通り、特に固有名詞はなく、地名が由来になっている。
山に住み、炎を吐くドラゴンであるが、牛乳を好み、ふもとの村に牛乳を差し出すよう要求していた。
だが後に家畜、そして人間を差し出すように迫ったため、村の人達は困ってしまった。
村はモリス・バークレー卿に依頼し、モリスは2匹の勇敢な犬と共に、ボロボロになりながらドラゴンを倒した。
2匹の犬は死に、その時の傷がひびきモリス卿もまた、村に帰ることなく倒れてしまった。
今でもビスターンの公園には、2匹の勇敢な犬とドラゴンの像が立っているという。
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人間の言葉が話せるのかは不明ですが、要求できるあたり、知恵は多少あると思われるドラゴン。
硬いウロコに覆われ、炎を吐くということから、
ファイアドラゴンの1種かと想像されます。
この伝承の話の興味深いところに、モリス卿のドラゴン退治へ向けた装備があります。
モリス卿は、鎧にトリモチをつけ、そこにガラスの粉をまぶして、炎耐性をしてから挑んだというのです。
魔法とか不思議なチカラに頼らず、アイデアと人力でドラゴンに挑み倒した、というタイプのドラゴン退治なんですね。
今回のハンプシャーのドラゴンのイラストは、
新星出版社さまの「図解大事典 ドラゴン」にて描かせていただきました。