バシロサウルス/Basilosaurus
今回紹介するのはバシロサウルスのイラスト。
バシロサウルスは、始新世中期から後期にかけて、北アメリカやエジプト、ジャワ島などで生息していた原始的なクジラです。
■バシロサウルスとは?生態は?
バシロサウルスは、全長が約18メートルに達する巨大な海棲動物。
現代のクジラに近い姿だったようですが、非常に長い体を持っていました。
長い細身の体と、細長い頭。
四肢は進化的に退化しており、後ろびれは尾の方に位置していました。
鋭い歯を持っていたため、肉食性であり、魚やイカを捕食していたと言われています。
バシロサウルスは、その巨体を泳ぐことで支えていました。骨格は、水中での推進力を増すために軟骨性であり、背骨には推進力を強化するための筋肉が発達していました。
■バシロサウルスはどうして絶滅したのか?
バシロサウルスは、およそ3,500万年前に絶滅しました。その原因は、まだはっきりとは分かっていませんが、いくつかの仮説が存在しています。
一つの仮説としては、海面温暖化による食物連鎖の崩壊が挙げられています。海面温暖化により、海洋生物の多様性が低下し、バシロサウルスが捕食対象としていた魚やイカなどの獲物が減少したため、食糧不足に陥ったとされています。
また、海洋環境の変化による生息地の変化や、競合する捕食者との競争など、他の要因も影響していた可能性があります。
■バシロサウルスの他に、絶滅したクジラの仲間は?
アンブロケトゥス(Ambulocetus)- 約5000万年前に生息していた初期のクジラで、陸上でも過ごせるような四肢を持ち、水生生活に適応していた。
ドルドン(Dorudon)- 約4000万年前に生息していた中型のクジラで、バシロサウルスに似た形態を持っていた。
オロドゥス(Orodus)- 約4000万年前に生息していた、鮫はクジラに似た姿を持つ。
厳密にはクジラの仲間ではなく、ギンザメの近縁ということが判明。