今回紹介するクリーチャーイラストは妖怪の一種「麒麟」
こちらは、永岡書店様の「妖怪ひみつ大百科」にて描かせていただいた麒麟のイラストです。
妖怪…というより、どことなく神獣のイメージですが、
日本の妖怪をメインに取り扱ってる本ですので、
今回は「妖怪」として紹介しようと思います。

中国の霊獣・麒麟とは
麒麟とは、中国に伝わる伝説の神獣、霊獣、と言われています。
主な特徴は以下のとおり。
・頭部に一本のツノを持つ(現代では2本あったりする場合も)
・顔は龍
・体は馬や鹿に似る
・尻尾は牛
・全身に黄色いウロコ
・性格やおだやか
・つねに1匹で行動する
・殺生を嫌い、生きた草や虫すら踏むことがない
・四神のうち、西、または、中央、を司る
・黄色が一般的だが、赤や白、黒いものも存在し、5色の毛色を持つとも言われる。
(5神の中心にいて、5色に輝いてる、5色の光を放つとも)
四神?五神?麒麟の居場所
一般的に知られる中国の4神は、東西南北に合わせ、
東ー青龍、西ー白虎、南ー朱雀、北ー玄武
が用いられることが多いです。
ここに麒麟が入る場合は、白虎と交代することが多いです。
この場合は4霊獣、と呼ばれたりします。
白虎だけは実在する動物にもホワイトタイガーがいるので、
作品によっては、ファンタジー色を高めるため、4霊獣を採用しているものもあります
(その場合でも作品内では、4神、と呼ばれたりします)
また青龍が応龍(指が3本の龍。翼があるとされる)を入れ替えて、4瑞獣(ずいじゅう)とすることも。
※瑞獣は「めでたい生き物」「縁起のよい動物」みたいな意味合いで使われるようです
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4神だけでなく、中央にもう1体加えて、5神、とする説もあります。
この場合、中央に黄龍を置いて5神、
としますが、麒麟がくることもあります。
(この時は黄龍の代打での麒麟なので、体の色は黄色or金色なことが多い)
青龍と黄龍で、龍が2匹になるので、
代わりに麒麟、ということでしょうか。
また先ほどの白虎と麒麟を入れ替えて、中央に黄龍を据える場合もあります。
黄龍は中国でも最高位であるので、中央には黄龍を置くのが一番しっくりくる気もしますが、
作品におけるバランスだったりとかで、割とこの辺は自由な感じです。
どちらにしろ、ちょっと白虎さんの立場が危うい所です。
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今回のイラストはやや中華風テイストで描いています。
あくまで「大百科」という名称の本なので、自分なりにシンプルにしようと考えました。
一応、妖怪でもありつつモンスターとしても有名なキャラなので、
子供向けだからといって容赦なく(?)自分なりにシャープに仕上げたつもりです。
こちらは2014年のイラストなので、まだ筆の粗さが残っていますね。
当時は丁寧に描けば描くほど、なめらかになって迫力やシャープさが無くなっていくので、すごく描き方やタッチを試行錯誤していた記憶があります。
それではまた!
※永岡書店様「妖怪ひみつ大百科 」掲載:妖怪05/p96
※毎日モンスター:33日目(2020/07/23)のイラスト

