【岩手の由来?】不来方の羅刹鬼【日本のモンスターイラスト】

モンスター・クリーチャー

今回、紹介する日本の妖怪・モンスターイラストは「不来方の羅刹鬼」。
岩手県盛岡市に伝わる鬼です。
なお不来方(こずかた)は盛岡市の旧名です。

岩手に伝わる鬼_不来方の羅刹鬼_鬼の手形

はるか昔、盛岡に岩手山が噴火した時に飛んできた「三ツ石」という岩があり、地域の人々は「三つ石の神様」「三ツ石様」と呼び信仰していたそうです。

やがてその周辺に、羅刹鬼が出没するようになりました。
村人をさらったり悪さを繰り返し、人々を困らせたそうです。

ある日、みかねた神様が強力な神通力で羅刹鬼を捕らえ、三つ石に封印しようとしました。

すると鬼は「もうしません」と泣いて命乞いをしたそうです。

神様はもう来ないようにと伝え、その証として三つ石に鬼の手形を残させました。

以降、もう鬼は来ない事から「不来方」と呼ばれるようになったとか。

そしてその岩の手形は「鬼の手形」と呼ばれ、
今の「岩手県」の名称になったとも言われているようです。

現在も「三ツ石神社」は存在し、強力なパワースポットの場所、としても有名です。

極悪な鬼をかんたんに捕まえ、泣かせてしまうことからも、相当に強力な神様だと思われます。

鬼の手形の部分はだいぶ薄れてしまったようですが、今もなぜか苔が生えないと言われ、不思議なパワーが残っているようです。
神様と鬼のダブルパワースポットとも言えるかもしれません。

それほど強力なだけに、尋ねる時は礼儀を忘れないようにしたいですね!

参考文献:
いわての文化情報大事典 鬼の手形 http://www.bunka.pref.iwate.jp/archive/tale2
日本伝承大鑑 三ツ石神社 鬼の手形 https://japanmystery.com/iwate/iwate.html


久々の更新です。

今回は「鬼完全図鑑」(東京書店様)のご依頼により、岩手の鬼のイラストを描かせていただきました。

最近、某アニメのおかげで、日本各地に伝わる鬼の存在にも注目があつまっているようです。
某アニメでは鬼の正体は元人間だったりしますが、今回の羅刹の正体はよくわかっていません。

追い出された後も悪さをしたと言われますし、盗賊か何かの一派だった可能性もあります。

イメージイラストではかなり盛らせていただきましたが、
実際、手形の大きさは一般的な手のサイズの2倍近くあり、人間だとしたら相当な大男だった可能性がありますね。

正義の味方もかっこいいけど、時には鬼側の話(?)も想像してみてはいかがでしょうか!

それではまた!