今回紹介するモンスター&クリーチャーイラストは、
中国の妖怪、野狗子(やくし)。
別の名を、脳みそ取り、人犬。
名前のとおり、死体の脳みそを食べてしまう妖怪、怪物の一種と言われています。
主な特徴は、
・頭は獣、または犬のよう。
・胴体は人間
・夜、戦場や墓場に現れる
・死骸の頭を噛み割って脳みそをすする
・生きてるものも襲うことがある
・牙は長いもので15cmになるらしい
野狗は中国語で「野良犬」の意味なので、
犬のような頭を持っていると思われ、獣人・ウェアウルフのような姿が想像されます。
夜、戦場や墓場に出現することから、グールの一種ではないかという説もあり、
この野狗子が現れると、死体すら動き出して逃げ出す、という話も伝えられてるほど。
主に死体・死骸を狙うようですが、
生きているものとの区別はつかないようで、
死んだふりをした人の頭にかぶりつこうとする事もあるとか。
外見から狂暴そうですが、石などをぶつけて追い払った伝承もあるそう。
あまり出会いたくない妖怪ですが、
もし出会ってしまったら、すぐにその場所を離れるか、石や棒を拾って追い払った方がよさそうですね。
脳みそを狙って食べる妖怪、モンスターは世界的には少なく、
日本の妖怪でもそうしたのは珍しいのですが、
中国では割とメジャーだそうです。
これはやっぱりお国柄でしょうか。
中国では、サルの脳みそを高級料理、珍味として食していた文化があるそうですので、
それらと何か関係があるのかもしれません。
中国の伝承・民話に登場する、犬型、または犬の頭をした精霊、モンスターは他にも下記のようなものがいます。
貔貅(ひきゅう)- 犬の体を持ち、一角獣の角が生えているとされる獣です。風水においては、家や商売繁盛の象徴として用いられます。
餓鬼(がき):犬の頭を持つ鬼の一種で、人間を襲って食べるとされています。また、悪いことをした人が死後に転生するとされる地獄の1つ「餓鬼道」にもこの名が使われます。