今回の動物のイラストはケブカサイ(ケサイ)。
学名は、Coelodonta antiquitatis
寒い地域に住んでいたため、全身が茶色く長い毛に覆われていたと考えられています。
頭に2本のツノがあるのが特徴。
特に、鼻先のツノは1メートルにも達するほど長かったとか。
これだけ長いと武器として使いづらそうな気がしますが、
エサを探すために用いたり、異性へのアピール等に使われていたのでしょうか。
体重は推定3~4トン。
重たい頭部を支えるためか、肩の上の背骨が上方に長く、大きくなっており、
頭のつけね~肩~腰にかけて筋肉が発達していたと思われます。
最近は軟体組織を持つ化石(ミイラ)が発掘され、
背中に脂肪がつまったコブがあったことが判明。
※2024年10月時点
イラストでは首周りの筋肉を盛っているのですが、
背中にコブは栄養を蓄えておく意外に、異性へのディスプレイに使った可能性もあり、
そうなるともう少し体高が大きいかもしれません。
現代に生き残っていれば、間違いなく圧巻の動物だったことでしょう。
生態は氷河期に生きていただけあり、
全身、長い毛に覆われて耳は小さい、とマンモスとの共通点があるようです。
またそのマンモスの化石と同じ地域から出土しており、
ケブカサイとマンモスは共存していたと思われます
(ただマンモスは北アメリカまで化石が見つかっているが、ケブカサイは北アメリカでは見つかっていない)
寒い地域に生息していたおかげか、
ほぼ全身残った状態で発見されることもあり、
大きなツノ、ほぼ現代のサイと同じ姿、
そしてやはり長い毛を持っていたことが確定となっているようです。
背中のコブに栄養を貯めることができたとしたら、
成体になれば非常にタフだったのではと予想。
サイはほとんど天敵がいないと言われる動物の種類でもあり、
絶滅した原因は気候変動が有力のようですね。
※天敵は少ないが、弱ったりした個体はホラアナハイエナ等に捕食されていたと思われる。
ケブカサイは最終氷期、おおよそ1万4000年前、寒冷期が終わった頃に絶滅してしまったようです。