スグロモリモズ/毒を持つ謎の鳥/猛毒生物

触るな危険!
毒を持つといわれる鳥、スグロモリモズのイラストです。

モリモズ=ピトフーイと呼ばれることから、そのままピトフーイ/ピトフイと紹介されることもあります。

世界には1万種以上の鳥類がいますが、
そのうち12種の鳥が毒を持っています。

その中でもスグロモリモズはヤドクガエルと同じ「バトラコトキシン」を持ち、
この毒は、動物界で最も致死量が高いと言われています。

肉もまずくて食べれないため、地元では「つまらない鳥」「ゴミの鳥」「クズ鳥」という、
不名誉な呼び方をされていることも・・・。

名前/和名:スグロモリモズ/頭黒森百舌

学名:Pitohui dichrous

分類:スズメ亜目 コウライウグイス科 ピトフーイ属

生息地:インドネシア、パプワニューギニアなどのジャングル

大きさ:20~30㎝ 重さ65g

食性:昆虫類。

体色:明るいオレンジ~茶橙系とブラックのツートンカラー。

そのほかの特徴:

オレンジ&ブラックという、警告色をした体。個体差は若干ある。
羽や皮膚、筋肉に毒を持つ。

イチゴヤドクガエルと同じように、捕食(ジョウカイモドキ科の昆虫)によって毒を得ていると言われています。

1989年、米シカゴ大学の大学院生「ジャック・ダンバッカー」氏は、調査のためパプワニューギニアに向かった。

ダンバッカー氏はそこの熱帯雨林で、珍しい鳥を発見する。

網にかかったその鳥をはずそうとした時にひっかかれ、やがて傷はヒリヒリと痛みだし、痺れ出した。

熱をもったような痛みと痺れは夜遅くまで続いたという。

翌年、1990年、博物館でスグロモリモズを展示しようとしていた科学者が、翼に触った後、しびれや熱傷のような痛みを訴えることも。

その後、1992年に学術誌「サイエンス」ダンバッカー氏が論文で発表し、
世界で初めて毒を持つ鳥として、広がることとなった。

その毒は、人間ですら羽1枚分で死亡してしまうという…。

・羽、皮膚、筋肉に猛毒を持つ鳥
・黒と橙という派手な羽毛色。
・毒はバトラコトキシン。羽1枚で人間を殺せるほど。
・毒は食べた甲虫から蓄えている。
・地元の人からは「クズ鳥」という不名誉な呼び方をされていることも。

特に地元の人からはかなり嫌われているようですね。

スグロモリモズから見れば、この毒により寄生虫なども寄り付かないようにしているようで、
より種が生き残れるよう、生存戦略が上手くいったという感じでしょうか!

今回のイラストは「図解大事典 猛毒生物」にて描かせていただきました。

野鳥は保護されてることが多く、日本でもむやみに触ることはできないのですが、
万が一、オレンジ&黒といった警告色の鳥を見かけても、絶対に触らないように気を付けましょう!