ツェツェバエ/Tsetse fly
牛をも倒す、と言われる、ツェツェバエのイラストです。
ツェツェバエといっても、ツェツェバエ科（Glossinidae）に属する昆虫の総称になります。
牛のような大きな生物も倒す、という云われがあり、
哺乳類などを吸血するときに寄生虫を運び、「眠り病」を引き起こすことが由来のようです。
眠り病はアフリカ睡眠病（アフリカトリパノソーマ症）と呼ばれていて、
初期症状は頭痛や筋肉痛ですが、のちに眠り続けるなどの睡眠障害が起き、悪化するとそのまま死亡するという、とても怖い病気です。
主にアフリカのサハラから南に多く発生している風土病で、
年間4万人が亡くなっていると言われています（現在、減少傾向に有り）。
特にコンゴ民主共和国は抜きんで感染者が多く、医療が整っていない地方で発病するとほぼ致命的と言えます。
巨大なイスラム帝国がサハラから南方面への侵略を諦めた理由の一つが、この眠り病とも。
人はもちろん家畜にもかかってしまうため、この小さなハエが、文明の発展の妨げとなっているとも言えますね。
なお、ツェツェバエと同じ地域に生息するシマウマがなぜ襲われないのか、実験が行われたところ、このハエはまだら模様が苦手ではないかと言われています。
ですが、これは確定的ではないので、虫よけスプレーなどで虫を寄せ付けないようにするのが安全策として上がっています。
最近は日本でもマダニなどの被害があるので、アフリカに行かずとも、虫よけスプレーは備えておきたいですね！
それではまた！
