石妖/せきよう
静岡県の石切り場に現れたと言われる妖怪・石妖のイラストです。
■妖怪・石妖とは
場所は豆洲(現在の静岡県)
石切り場で石を切り出していた石工たちの前に現れた女性タイプの妖怪。
見ただけでは人間と変わりなく、また話には美しい女性だっという説もある。
伝承の中で猟師が「キツネやタヌキが化けたもの」とありますが、
猟師が撃った後に、砕けた石が残ることから、
石の気、石の念が人の形になって表れたものというのが推測のようですね。
■石妖の伝承
石工たちが昼休みで休憩していると一人の女性が現れた。
女性は石工の疲れをねぎらうように肩をもみ始めると、石工はよほど気持ちよかったようで眠ってしまった。
次々にマッサージして石工たちを眠らせていく女性を見ていた、残りの石工は
「この女性は只ものではない。妖怪に違いない」
と察し、その場から密かに逃げ出した。
逃げ出した石工は丁度、近くにいた猟師に出会う。
その猟師も「妖怪、または狸狐に違いない」と言い、石工と猟師は現場に戻ってきた。
猟師が銃に弾を込めて打つと、石が砕け散る音がして女性は消えてしまい、そこには砕け飛び散った石が残されていた。
眠っている石工たちの肩や背骨のところには石でひっかいた傷ができており、治療を受けた。
石の気が化けてでたものだろう、と噂されたが、
その後もその女性はたびたび現れたという。
■石の妖怪やモンスター
銃で撃つと石だった、という妖怪は珍しいタイプですね。
石工と猟師がすぐに「妖怪だ」と思ったことといい、その場所には何かあったのでしょうか。
それとも土地神への信仰などから、そうした不安がどこかにあったのでしょうか…。
日本では、岩、石そのものを御神体、御神石として祀ることが多いので、
そうした話がどこかでつながっているかもしれないですね。
今作のゲーム、例えば、
ポケットモンスターにも、イシツブテやゴローン、ポケモンSVではコジオのように、石や岩の原石をのこしたような姿を残してるものが多い気がします。
海外にはどちらかというと、
切り出した岩や石まんまがモンスターになる、という話よりも、加工など人間の手が入ってモンスター化してることが多いイメージがあります。
砂や石でつくられて呪術や魔術で魂を吹き込まれたモンスター・ゴーレムや、
悪魔の姿をしたガーゴイルなどなど。
もともとガーゴイルは雨どいの飾りみたいなもので、近代の作品でモンスターとして定着した感じもしますが…。
日本の石のモンスターと、海外の石のモンスターの違い…。
この辺は今後少し調査してみたいものです。
それではまた!