今回の妖怪はトイレの便器の中からにゅ~っと手を出してお尻を触る妖怪、かいなで、です。
京都に伝わる妖怪で、
出現するのも「節分の夜」という、非常にレアな妖怪と言えます。
この妖怪が出たら、
「白い紙やろうか、赤い紙やろうか」と唱えると、
二度と出てこなくなるそうです。
この呪文の由来ですが、
昔からトイレには神様がいると信じられており、
お供え物を捧げる風習がありました。
そこに、赤と白の紙人形を捧げていた、という話があり、
そこから上記のような呪文が生まれたのではないか、という説があります。
風習というのは忘れられるもので、
そうしてトイレの神様の存在がないがしろになったころ、
手を出して何かを伝えようとしていたのかもしれませんね。
ちなみに出てくる手はけむくじゃら、の場合もあるそうで、
そうなると、神様というより、やはり不気味な妖怪、とも取れてしまいます。
この妖怪はやがて、学校のトイレに移り住み、
そこで様々な怪談の元ネタになった、という一説もあるようです。