アンブロケトゥス/genus Ambulocetus
歩くクジラと言われた絶滅生物、アンブロケトゥスのイラストです。

始新世前期に生きていたと言われる哺乳類。南アジアに生息していたクジラの仲間。
パキケトゥスから、水中への生活に向けて進化した姿、と推測されています。
陸上ではパキケトゥス同様に4つ足で歩行していましたが、
水中に入っても、クジラのように上下運動で泳いでいたといわれる生物です。
大きさは体長3m。
口には歯がずらっと並んでいて、
獲物を待ち伏せては、一気にガブリ、と捕食していたと想像されています。
アンブロケトゥスのその後は、より水中に特化した姿、進化していったものが生き残っていき、
陸上・水中共に生活できるこの姿のタイプは絶滅してしまったようです。
当時はクロコダイルとの生活域が違うことが分かっていますが、
生存競争に負けたのが絶滅した理由かどうかはまだはっきり分かっていません。
一見、陸上&水中と活動域が広く見えて、生き残りやすそうにも思えますが、やはりそれ以上に環境が厳しかったのかもしれませんね。
もしくはたまたまこの時代が、アンブロケトゥスのような種を生み出しやすい時代だったのかもしれません。
もし天敵もおらず食料に困らず環境に恵まれていたのなら、ワニ型哺乳類が現代まで存在していたかもしれないですね。
それではまた!
今回のアンブロケトゥスのイラストは、
新星出版社さま「図解大事典 絶滅動物」にて描かせていただきました!